銀河鉄道999 COMPLETE DVD-BOX(東映アニメーション)04巻


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銀河鉄道999 COMPLETE DVD-BOX 04巻 999の反乱  

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収録DISC-1
 056 冷血帝国 前編
 057 冷血帝国 後編
 058 足音村の足音
 059 なまけものの鏡
DISC-2
 060 大四畳半惑星の幻想 前編
 061 大四畳半惑星の幻想 後編
 062 夜のない街
 063 ヤミヤミの姉妹
DISC-3
 064 沈黙の聖地
 065 交響詩 魔女の竪琴
 066 霧の葬送惑星
 067 宇宙僧ダイルーズ
DISC-4
 068 好奇心という名の星
 069 C62の反乱
 070 心やさしき花の都
 071 賽の河原の開拓者
DISC-5
 072 大暗黒星雲アフリカ 前編
 073 大暗黒星雲アフリカ 後編
 074 17億6千5百万人のくれくれ星
豪華解説書
原作者メッセージ付き原画イラストボード
車掌の帽子マークピンバッチ
原作自分がそこに行って真実を見て、真実に基づく大ボラを描く 原作:松本零士

 『999』の連載中には、ヨーロッパ、アフリカ、インド、アマゾン、南太平洋って、ありとあらゆる所を駆け回りましたよ。特に人の行かないようなところへ選んで行ったね。連載は描きだめをして、休載せずに行くんです。当時週刊誌を5本やってましたので、月に20本。月刊誌も合わせると25~30本ぐらいあるんですよ。ただね、これを先行して進めて旅に出るぐらいの強靭な体力と気力がないと、漫画家はできません。その代わり惰眠をむさぼる暇はないと。ほっとくと私は怠けますから。世界一のぐうたらだから。メーテルに言い聞かせてもらいながら、歯を食いしばるんです(笑)。
 私はジャングルとか南方の自然にはすぐ適応する体質。南方系なんですね。南太平洋の島なんかに行って椰子の葉陰に座っているとね、故郷に帰ったみたいな開放感と安心感があって。「天国だー、楽園だー」って(笑)。そうすると、よく一緒に旅したちばてつやが「何が楽園だ!もう帰ろう」って、玉の汗かいて蚊に刺されて苦しんでいるんですよ(笑)。蚊取り線香なんかぶら下げてもダメみたい。こっちは前にも言った通り虫に食われないから、ちょっと汗ばんだかなって中、気持ちよくなっている(笑)。熱帯の吸血生物は油断できませんからね、気を付けないと。アリだってハチぐらいデカい。現地の人はそれを炒めて食うんだもん。私も食えと言われれば何でも食うから(笑)。
 その代わり寒い所へ行くと、からきしダメですね。ちばてつやは元気になる。彼は北方系なんだね。零下140度ぐらいまで平気なはずですよ(笑)。だけどカメラが全く作動しなくなるんです。だから腹に抱いてあたためて、それで一瞬ですよ、動くのは。自分の吐いた息がすぐに氷になって顔に当たる、そんな世界。モスクワや冬のペテルブルグの時も・・・・・・。その天文台に行った時、ドームの中でも零下何十度というところでした。計算機も皆とまりました。
 『999』を描きながら作った言葉の中に”自分がそこに行って真実を見て、真実に基づく大ボラを描く”というのがあるんですよ。旅して見て来たことは『999』や他の作品に必ず活きていますよ。『宇宙海賊キャプテン・ハーロック』のトチローはね、マントを開くと代えの眼鏡を山ほど持っているんですよ。いつ割れても大丈夫なように。それはねノートルダムで双眼鏡をうっかり割ってしまった経験からなんです。たまたま倍率の違う双眼鏡をもう一つ持っていたから良かったけど。全くなくしてしまったら、何のために行ったか分かりませんからね。それからは眼鏡も予備を3つぐらいづつ持っているんですよ。
 星空を描けるのも、アフリカやアマゾンで見ているから。地球が本当はどんなに静かな所か、自然の中で実感しているから。地球の夜は、真っ暗で静寂そのものなんです。風の音と木々のざわめき、波の音、それしかない。アフリカでね、突然ものスゴい音がするからジェット機が来たのかと思ったら、そうじゃない。コンドルが急降下しただけなの。丘の上でサーチライト付けてるバカがいる。こんなとこまで来て誰だ!って言ってたら、そうじゃない。金星が顔を出したんですよ。やっぱりそれは、自然を体験してみなければ分からない。騒々しくしたのは人間なんですよね。
 嫌な思いもありましたよ。喧嘩もしたし。それでも結果的にはさわやかな心のふれあいになる。某大国でやり合った時もね、別の青年が分け入って涙ぐんで言ったんです。「オレの国の男がみんなこんな奴ばかりだとは思わないでくれ。オレが後で言い聞かせるから許してやってくれ」って。アマゾンではね、動物を食っちゃったんですが、ワニやいろんな動物をいっぱい食っちゃって、そしたらその中の一頭には赤ちゃんがいたんです。何かね人を殺したような気持ちにまでなっちゃって、悲しかったんです。すると「あなたは何でこんな素晴らしい肉を獲得してくれたのに、悲しむんだ」って、一緒だった現地の青年が言ったんです。そしてアマゾン川の船つき場まで走って来てくれて「心配しないでくれ、あの動物たちの赤ちゃんはオレが責任を持って育てるから、どうか悲しまないでくれ」って。ちばちゃんが一緒だったから”てつや”って付けて帰ってきました(笑)。またその村のさらに上流に、どういうわけかマゾーンという地名がありました。『ハーロック』で描いた敵と同じ名で、ビックリして。あるんだね。何か運命みたいなものを感じました。今も”てつや”は、アマゾンの奥のマゾーンで生きてるはずですよ(笑)。
 地球に暮らすあらゆる人たち、感情も宗教も違う。だけど私はどこでも親切にされた。旅人に自分の国や土地を、好きでいてほしいと皆やさしくしてくれた。そういう要素も『999』には反映されているんです。
 次はハーロックやエメラルダスをも結んで、時の輪を巡る路線を進む999号の、その世界について話しましょう。
企画森下孝三
製作長澤孝之
発売2003(平成15)年03月19日
東映アニメーション株式会社
エイベックス株式会社
税抜定価24,800円
備考
コラムこのDVD-BOXが発売された頃に、私は大学を卒業した。
昼間の仕事が多忙を極め、なんとかギリギリで大学に行って講義を受けていた有様で、ゼミの出席もヤバかった。
恐らく彼は(卒論提出は)無理だろう」と、ゼミの指導教授が言っていたと後でゼミ仲間から聞いたほどで、卒論は仕事から帰宅して徹夜しつつ、一週間で書き上げた。
結局、「何とかしてしまう」のは社会人だからなのか、SEの(サガ)なのか、良くワカランが、履修していた各授業の教授に事情を説明したりして、ともかくゼミ(卒論)を含め卒業要件単位の取得をクリアし、4年でキッチリ卒業してホッとした頃だったと思う。

さて、TVアニメ版に関して言うと、いくらでも解説めいたことは書けるのだが、原作との差異で言えば、原作とTVアニメ版では話数の進行が違うだけでなく、明確にタイトルが違ったりする。
例えばこのDVD-BOX4巻では、DISC-5の第74話目に「17億6千5百万人のくれくれ星」が収録されており、リアルタイムのテレビ放映でもこのタイトルだが、原作では少年画報社版の単行本2巻目の第3話目に「7億6千5百万人のルンペン星」のタイトルで登場する。
いつから「ルンペン」について忖度されるようになったのかは知らないが、「くれくれ」に変わっているのは興味深い。
TVアニメ版ではメインターゲットが小学生だったこともあり、原作の「伝わりにくい表現」を分かりやすく「丸めた」とも言える。
それが良かったかどうかは評価が分かれると思うものの、繰り返すようだが当時のアニメは「子供が観る低俗なモノ」といった評価なので、時代的に仕方がない部分はある。

最後に、「原作」欄に記載した松本零士先生の「自分がそこに行って真実を見て、真実に基づく大ボラを描く」についてだが、恐らく初出は「復讐を埋めた山」(小学館戦場まんがシリーズ⑦ 復讐を埋めた山』所収)だと思う。
その他の「原作」欄で述べられている内容に関しては、『地球魔ゾーンの宇宙人』にまとめられているので、本私設博物館でも(そのうち)展示・紹介しようと思う。

2020(令和02)年07月08日 私設松本零士博物館(Facebookページ)掲載内容を一部改変・加筆