タグ:展示, ムック, き, 銀河鉄道999, THE GALAXY EXPRESS 999, 設定資料集, 劇場映画, 少年画報社, 1979(昭和54)年, 著者近影
巻頭カバー | ★原作者からのメッセージ 松本零士(サイン) アニメーションを作るのが子供のころからの僕の夢でした。それもメルヘンチックなものとSF的なものを合体させた、ともかく、ものすごくあったかい”大漫画映画”が作りたかった。今度『銀河鉄道999』を作るというのは、その生涯の夢を果たす大仕事なのです。いつか僕がくたばったらこの汽車に乗ってどこかへ行くんだみたいな、非常に馬鹿らしくロマンチックな、それでも激しい感情をこの作品には持っているのです。 『銀河鉄道999』の中で僕は、残された時間、人間の”限りある命”を描こうと思います。人間の寿命の短さと、その中で頑張る人間ということで鉄郎少年を設定しました。限りある命だから人間は頑張り努力します。その願望を果たすべく、残された時間を人間は動きまわるのです。それに対し、人間の夢みる不老不死の生命とは何なのか、無限の命を持って我々は一体何をしようというのでしょう。この映画の中ではそれを大上段に構えるのではなく、青春の前記(15歳)の年齢である鉄郎が、やがて自立して一人前になっていく中で、彼にそれを実感させてやりたいのです。メーテルという女性は、そんな鉄郎にとって、思春期の願望と幻影、希望と夢そのものです。どんな男の子にも、死守運気の思い出というものが胸の中に消えずに残っていて、それは一度通りすぎてしまえば、二度と戻らないもの、非常に切ないものです。その思春期に自分が思いをかけた幻影がメーテルなのです。彼女は映画の中に実在するが、もしかしたら鉄郎の心の中の幻影かもしれない。そして彼の一人立ちとともに、その青春の幻影は目の前から消えてしまうのです。 そういう鉄郎の成長の家庭に、僕は波乱万丈の物語を用意しました。それも、ひとひねりふたひねりじゃ面白くない。また出たかとあとからあとからたたみかける映画の楽しさも味わっていただきたいし、そのへんがアニメだから、非常に自由にできるわけです。 僕のヒーロー、ヒロインの中でも、色々な意味で最も思いをかけられるのが、この鉄郎とメーテルです。それだけに、この映画は自分にとっても未来への文字通り踏みはずすことのできないステップだと思っています。同時に、大勢のスタッフの血と汗の結晶であり、一同まさに青春をかけて頑張ってくれています。願わくば、このあと何作も、もっともっと良いものを作りたい、その大事な土台にしたいのです。ただ、結果については悔いを残さない、最善を尽くしたのだから、どっちに転んでも後悔しないと開き直ってもいます。何よりも好きなメカニズムと共に、あたたかいメルヘンを共有した『銀河鉄道999』が今、スクリーンの中で動きだします。それに乗って、僕のアニメの旅も未来に向かって始まろうとしているように思います。 |
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収録 | 2大ポスター縮刷版 イメージポスター Bポスター カラー名場面大特集 ギャラクシー・プレリュード 独占! 松本零士㊙メモ-4 導入部B案 決定稿 シナリオ完全収録 音楽プラン 主題歌&挿入歌 設定資料コレクション ①キャラクター設定 ②メカ設定 ③美術設定 ④絵コンテ 声優大特集 スタッフ座談会 美的に昇華された『銀河鉄道999』 出演者=高見義雄、りん・たろう、窪田忠雄、青木望、友永和秀、吉沢孝男、福井正利、二宮健治、松田昭彦 全スタッフ紹介 愛読者プレゼント |
奥付 | 銀河鉄道999設定資料集 1979(昭和54)年10月18日 |
原作者 | 松本零士 ©松本零士・東映動画 |
編集人 | 小林照雄 |
発行人 | 今井堅 |
発行所 | 〒112 東京都千代田区三崎町3-3-12 (株)少年画報社 電話 東京03(266)3501 振替・東京5-20260番 |
定価 | 950円 |
備考 |
私が持っているこの設定資料集は、古いのもあるが、私がそれこそ手垢で真っ黒になるまで読んだので、本のコンディションはよろしくない。
思春期の少年の日(小学生だった)を思い返すと、パソコンと読書とラジオに夢中な日々だった。無論、甘酸っぱい初恋の思い出もあるが、初恋の人の面影は鉄郎のメーテルと同様、幻影のように私の胸にある。
展示するので出版日を確認したら、前回展示した『銀河鉄道999設定資料集TVアニメ総集編』の前年で、映画が公開された1979(昭和54)年10月28日だった(映画は同年08月04日劇場公開)。
ちなみに、主題歌を歌ったのはゴダイゴだが、実は別の誰もが知るメジャーなグループにオファーされていた。実際にデモ音源まで作ったのに降りてしまったが、1980年前後頃のマンガやアニメは「低俗で子供のモノ」というのが一般認識だった。だから降りた、というワケでもないのだろうが、ゴダイゴでヒットしまくるとは誰も想像しなかったに違いない。
こういった話も、本サイトの掲示板や、本サイト専用で無料のオンラインサロンで盛り上がれたら楽しいのだが、なかなか参加者が現れない。
さすがにSNS全盛の現在では、ウェブサイトに設置されている掲示板は流行らないのかも知れないが、オンラインサロンで利用しているDiscordも、SNSしかやってない人には認知度が低いし、そもそも利用方法すら分からないのかも知れないが。