アニメセル・コレクション ヤマトよ永遠に(少年画報社)


タグ展示, ムック, , アニメセル・コレクション, ヤマトよ永遠に, 宇宙戦艦ヤマト, 少年画報社, 1980(昭和55)年


 
コンテンツ

アニメセル・コレクション ヤマトよ永遠(とわ) 

『アニメセル・コレクション ヤマトよ永遠に』表紙 『アニメセル・コレクション ヤマトよ永遠に』背表紙
『アニメセル・コレクション ヤマトよ永遠に』裏表紙

詳細情報  

巻頭カバープロデューサーメッセージ
西崎義展

 宇宙戦艦ヤマトが発進してから、早くも6年余の歳月が過ぎようとしています。私は映画の第2作『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』で、もう二度とヤマトは作るまいと思っていました。第1作で地球人類に対する愛――つまり、地球を救うためという若者たちの愛を描き、第2作では宇宙全体に対する自己犠牲的な愛を描きました。また、その物語の中には、古代進と森雪に代表される身近な男女の愛も描いてきたのです。
 私は第2作において、極限の愛を描いた――だから、もうヤマトは作るつもりはありませんでした。しかし、全国から寄せられる”新しいヤマトが見たい”という声に、私はこう考えました。”作るべきテーマがあり、見たい人たちがいるならば、ヤマトは再び姿を現すべきだ”と。
 今回の第3作『ヤマトよ永遠に』は、そういった中から生まれた、いわばファンの皆さんの声が作ったヤマトです。ストーリーも今までと違い、古代と雪は離れ離れになりながら行動します。お互いに死んだと聞かされても、二人はその生存を信じて戦います。信じること――それが愛です。また、信頼の上にはじめて愛が生まれるのです。今回の『ヤマトよ永遠に』では、この”信頼”をテーマにして、楽しいSFアニメを心掛けました。
 皆さんが、このヤマトの物語の中から何を得て、それを実生活に生かしていただければ、うれしいかぎりです。
目次「ヤマトよ永遠に」ポスター
ヤマト透視図
セル1・重核子爆弾降下
フィルム・ストーリー1
セル2・掃討三脚戦車上陸
フィルム・ストーリー2
セル3・再会
フィルム・ストーリー3
セル4・英雄の丘
図解・新しいヤマト
セル5・雪との別れ
フィルム・ストーリー4
セル6・ヤマト発進!!
図解・地球防衛軍組織図
セル7・中間基地撃破!!
フィルム・ストーリー5
セル8・サーシャの思い
図解・暗黒星団帝国組織図
セル9・アルフォンの死
フィルム・ストーリー6
セル10・苦悩
フィルム・ストーリー7
セル11・サーシャの死
図解・デザリアム星
セル12・ヤマトよ永遠に
フィルム・ストーリー8
設定資料コレクション
ヤマト・戦いの軌跡
宇宙戦艦ヤマト全曲集
奥付週刊少年キング増刊『ヤマトよ永遠にアニメセル・コレクション』
1980(昭和55)年09月30日発行
編集人小林照雄
発行人今井堅
発行所株式会社少年画報社
〒101東京都千代田区三崎町3-3-12 ☎東京(262)3501 振替・東京(5)20260番
定価680円
備考

購入  

週刊少年キング増刊 ヤマトよ永遠に アニメセル・コレクション PART5
小林照雄(編集)少年画報社
1980/09/30 発売
¥1,440
2025/06/25 22:26 現在(Amazon)

コラム  

本書の巻頭カバーでもプロデューサーの西崎義展氏が言っているように、劇場版アニメでは前作「さらば」で物語的には終わっているし、当初西崎氏も続編を作る予定がないようなことを雑誌インタビューその他で公言していた。
しかし、前作の終わり方がまるで特攻のようであったことから、松本零士先生としては「その後のヤマトと乗組員の人生」を描かないことに納得せず、そこで西崎氏と意見が衝突したようだ。
そんなワケでTV版の「ヤマト2」に続くことになり、松本先生は本作「永遠に」は「さらば」ではなく「ヤマト2」の続編である、と言い続けていた。
ともあれ、松本先生は「999」のマンガ連載・TV版アニメ・劇場版アニメも抱えて多忙を極めていたが、「999」と同様に「さらば」と「ヤマト2」で登場した地球防衛軍の旗艦「アンドロメダ」にも「行き過ぎた機械化の末路」を仕掛けていたし、本作「永遠に」も地球防衛軍の無人艦を登場させている。
個人的に、ここ6~7年ほどのAIブームには違和感しかなく、特に昨今の「猫も杓子も生成AI」の風潮を実にバカらしく思って眺めている。
どう考えたって現在の技術ではノイマン型コンピュータを超えるコンピュータの開発は出来ないのだから、いくらAIが進展したとしてもそれはソフトウェア技術の向上でしかなく、AIがシンギュラリティ(技術的特異点)を超えられるハズがない。
生成AIごとき、便利なツールだぐらいに思って利用するのが一番で、最終判断は人間様が下さなければならないが、もう、そんな前提すら危うくなっているのかも知れない。
まさか45年以上も前から松本先生が作品で指摘していた「行き過ぎた機械化の末路」を、こうして目の当たりに見せつけられようとは、思ってもみなかった。
そこで以前、私設松本零士博物館Discordサーバでやっていた「上映会」を再度企画してみようか、と思うようになった。
私のような中高年を含め、現在の大人ほど、今一度「999」や「ヤマト」を観て考えた方がいいのではないか。

2025(令和07)年06月25日 私設松本零士博物館(Facebookページ)掲載内容を一部改変・加筆

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